中国
稀少文献
中国明代公文書集

本書は中国の第一級歴史公文書館と遼寧省公文書館に秘蔵された明代の公文書を全て収録した文献集である。明代のこうした文献が今なお保存されていることは非常にめずらしい。
遼寧省の公文書館に保存された明代の。この公文書は沈陽の故宮に所蔵された屏風の上と、割り符を入れた袋の中から見つかったため特に人々に注目されて、発見の経緯にちなんで屏風′文書とも割り符′文書とも呼ばれている。
 遼寧省公文書館がいままで保存していた明代の公文書の総巻数1081巻。その内容を整理して900余りの文献を作り、18巻に編集してまとめた。

その主な内容は
一、遼東都指揮使司(軍事長官部門)。この部分が全体の9割弱を占めている。
二、山東等の総督備委署(倭寇の侵入を防ぐための役所)、山東都司(軍事長官の部門)などの公文書。
三、兵部の上奏文。《明宝録》の原稿(洪武25年の部分)。この原稿は今の《明宝録》と多少の違いがある。

中国の第一歴史公文書館に保存された公文書は洪武、永楽、宣徳、万歴、天啓、崇禎などの時代の兵部と礼部と内閣などの機構の文献が含まれている。中でも、天啓と崇禎の時代の文献が最も多く、洪武4年から始まり、崇禎17年まで続いている。そのほか、崇禎皇帝の没後に福王(朱由嵩)が弘光″c帝に就いていた間の公文書四部も収蔵している。
 この公文書簡では多様な種類が保存され、詔書、上奏文及び公文書、書簡、契約、納税証明、戸籍簿、訴状用紙、紙幣、聖旨などが含まれている。中でも上奏文の数が圧倒的に多く、同公文書簡総数の85%以上を占め、明代の公文書の中でも比較的重要な部分になっている。
 本書ではこれらの公文書簡を写真製版し、明代の歴史を研究している学者やその他多くの人々の一助となることを期待すべく公刊することにした。